うつわ日記

うつわオタク

4月8日

9時頃目を覚ますとほぼ裸で寒い。
頭と体に酒が残っているのを感じる。酷い二日酔いで水を飲んでは寝て起きてを繰り返す。 13時頃起床。昨日一緒に飲んだメンツにチャットで非礼を詫びた。 脱いだ服を片してシャワーを浴びる。身支度を整え家を出る。 車を借りて千早赤阪村へ。 今日は楽しみにしていたBUMの陶器市「陶と人」に向かう。
17時過ぎBUM到着。香ばしく芳るキッチンを曲がりギャラリーに入るとそこはもう宝物庫で5人の作家の陶芸作品が所狭しと立ち並ぶ。 入口側には平井秀さんの金属器のような異形異色に黒光るうつわ、右奥へ進むと海や雲、雪の景色を土と織り交ぜた様な色味と手触り良い質感、上品なフォルムが美しい故金あかりさんのうつわ。奥角には煤を焼き付けたように霞む独特のグラデーションカップが目を惹く3RD CERAMICS。
中央テーブルは「出土した玩具」をテーマに作陶しているという金井悠さんの一見で即魅了されるアート性の高いうつわ。 壁棚には愛せる絵付けと遊び心溢れる釉薬使い、バリエーション豊かな作品で見応えのあるタナカ製陶。欲しい!の連続でおかしくなりそうだった。

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f:id:masuky:20230411014047j:image 今夜は展示の開催にあたり作家への取材旅を記録したBUMオリジナルのドキュメンタリー映画を上映するとの事で、とりあえず買う決定うつわ達を取り置きしてもらい上映を待つ。 19時ごろ陽が沈み人も増えて来た。 お世話になってるタトゥースタジオのHさんもいらしていてご挨拶。 レストラン外の広場?にプロジェクターが用意され地面直置きで椅子やソファが半円を描くように並ぶ。
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温かいチャイが配られ映画「まだら」の上映が始まった。
セリフや音楽など無いと思っていたら冒頭のナレーションと映像により添う聞き心地のいい音楽で始まり、車中や家の中の生活音、映し出される陶工房の土で白くなった計器。 車で5名の作家の陶工房を取材して回る様子が作家のスタイル、仕事として陶を見つめる姿勢やそれぞれの陶との距離感、そして情熱が人の心にハマる形に紡がれて1本の映画になっていた。何より作家5人に迫力がある。 職人の気質、新しいことへの挑戦や模索、陶との出会い。表現としての陶、うつわとしての陶。作家がどんな思いで、どんな経緯で、どんな背景を持って土に触れているのか。それが消費者である自分の手元に来るまでのストーリー性に心が震える。 タナカ製陶さんの話す自宅兼工房について「生活空間と器を作る仕事場が見えることって都合がよくって。パッて気がついたらちょっと面倒みてあげられる。一手間かけられる」「コントロールできない変化も楽しい」と咲まう姿が特に印象深い。作るうつわに期待と愛情を込めているんだと思うとグッと来た。自分で使う食器がこんな風に作ってもらえてると知ることで食卓に愛が増える気がする。生活を豊かにする映画だなあ、など思う。この人のうつわを持つ全ての人に知って欲しい。
胸の熱さと反比例して森の寒さに底冷えし切った所で上映終了。レストランの中でみんなストーブを囲み配られた白湯を飲む。楽しかった。 購入したうつわをTさんに包んで貰って辞去する。22時頃市内に到着。 車を返却し本町でUと合流。昨日飲み過ぎて迷惑をかけたことを謝罪。 難波まで一緒に商店街を歩くと路上DJに弾き語りやスティールパン奏者らで賑やかだった。 Uを駅で見送って0時前に帰宅。プロテイン睡眠薬を飲んで就寝。